久々に作りました‐その4

デッドマスについて。
EVRの本体基板をタイトル写真に示しました。左右それぞれに MUSES 72323 電子ボリューム+MUSES 05 バッファアンプが乗っています。
基板中央の銀の足がいっぱいの、四角い黒いのが 72323、その右の小さな四角が 05 です。基本的には、この2個のICを動かすためだけですが、大きなVishay-Dale NS-2B 巻線抵抗と、さらに大きな ASC X363、真ん中にはさらに巨大な X335 キャパシタが、硬く重たい真鍮基板に植えられたピンの上に鎮座しています。
ふつうにエポキシ基板の上にパーツを載せても音は出ますが、それをこんなにも重装備にしているのは「音が違って聞こえた」からです。
真鍮基板にすると、それまでの基板では気づかなかったザワザワ感が減り、静かに感じられます。音場が静かになっただけ、楽器の実在感というか、はっきりとした音像感が浮かび上がります。どのみち、マイクロフォンを通って変換された電気信号を聞いているのですから、生の音には遠くおよびません。ですけど、奏者に一歩近づいて聞いているかのように、ディテールが聞こえるように感じられます。一度聞くと忘れられない。
ケーブルを交換すれば音は変わりますし、パーツを交換しても音は変わります。回路を変えれば音は変わりますし、電源もバッテリーにすると音は変わるのと同様、基板を変えると音は変わります。そんな違いを聞かなければよかったのですが、聞いてしまうと戻れない。
でも、変わるなら、すべてをよい方向にしたい。ですよね。
ところで、真鍮基板上の MUSES 72323と05の両側にはピンを取り付けています。これは、デッドマスを載せるための位置決めピンです。IC には、35×10 mm の真鍮角棒を 30 mm にカットして載せています。このデッドマスもまた、音のクッキリ感をアップさせてくれます。これまたやめられない。

ただし、基板に位置決めピンを立てたとしても、マスの重さが IC に加えられるためには、“あそび”が必要です。ガッチリとハマってしまったのでは、加重が IC に届いていないかもしれません。
ところが、あそびをつくると、5×11 mm の MUSES 72323 でもキツいのですが、たったの 5×5 mm の MUSES 05 では、デッドマスはすぐに傾いてしまいます。
かといって IC にデッドマスを接着したのでは、移動させたときに IC の足に過大な力が加わってしまいます。かつて、輸送中に IC の足と基板のパターンがちぎれました。表面実装 IC に質量を付加するのは不可です。
そこで、デッドマスを傾かせないためにジュラコンを削りました。ホルダには、真鍮棒がギリギリすり抜けるだけの角穴を空けています。これで、デッドマスのグラグラはなくなりました。

ジュラコンホルダは、両面テープで基板に固定しています。デッドマスを載せた状態で接着して、デッドマスがスルリと抜けるようにしました。この状態なら、デッドマスの加重ははしっかりと IC を押さえてくれています。
念のために述べておきますが、このデッドマス、ヒートシンクとしても働いています。指で触った感じですが、デッドマスのない状態よりも MUSES 05 の表面温度は低くなっています。パッケージの上面からと、基板両面の放熱用ランドに半田付けした位置決めピンからの熱を放射している効果だと考えます。

真鍮基板によって IC をしっかりと支えているとはいえ、IC パッケージは、ただ乗せられているだけです。そこをデッドマスで上から押さえることによって、よりしっかりとホールドされます。これによって、IC の振動を低減することが、音の明確さにつながっているのだと思います。



