top of page

久々に作りました‐その2

EVR-323XX左右独立バッテリードライブEVRの中身
EVR-323XX左右独立バッテリードライブEVRの中身

 今回は、パネル加工に手間取った話です。

 10 mm 厚のフロントパネルは、表裏の両側からの加工が必要でした。その手順は、


  1. 裏面を上にして、パネルを加工機のベースに固定する。表面側に裏返したときの位置合わせに使う穴Aを(VFDディスプレイを取り付ける部分に)あける

  2. Aの穴を使ってパネルを固定して、1でパネルを外側から留めていた固定具を外す

  3. 外周及び裏面の段差(上下のカバーと合わせる部分)を削る

  4. 3個のLED、スイッチ、ヘッドホンジャック、IRレシーバ、ロータリエンコーダ用の丸穴(下穴)をあける

  5. 3個のLED、ヘッドホンジャック、IRレシーバ、ロータリエンコーダを取り付けるための溝を削る

  6. VFDディスプレイ取り付け部を削る。ただし、パネルに角穴を貫通させると位置決め穴がなくなるため、裏側から基板を取り付ける部分だけを削る

  7. パネルを表面に裏返して固定する。Aの穴を使って固定することによって、表裏の原点を合わせる

  8. 表面側から、ヘッドホンジャックとロータリエンコーダのつまみ取り付け部、およびVFDディスプレイ取り付け用の角穴を削る


です。かなり面倒な工程です。しかも、初めての加工ですから、手順を考えながら作業していたため、かなりの時間を要しました。やっとのことで、7工程目のパネルの「表返し」までは終わりました。あと少しです。


 ところが、最終8工程の途中で、穴がズレていることが判明しました。たったの 1 mm ですけど。


ズレた穴
ズレた穴

 でも、このくらいのズレなら、中心穴を拡大すれば使えます。

 問題は、ヘッドホンジャックとロータリエンコーダのつまみ取り付け部ではありません。パネルのど真ん中。VFDを嵌め込むための角穴です。


ズレた切削中の溝。両サイドの縦溝を見ると、右は外側に広がって段がついている
ズレた切削中の溝。両サイドの縦溝を見ると、右は外側に広がって段がついている

 削っている途中の溝を見てください。右側の溝の外縁に段が付いています。たったの1 mm ですが、この幅だけ、角穴は広がっています。

 「このくらい、気にしなければよい」と思われるでしょう。はい、ジャックやエンコーダの取り付け穴のように、隠せるところなら気にしません。ところが、ここにVFDを嵌め込むと、そこに隙間が空いてしまいます。修正のしようがありません。


 嗚呼、ここまでの加工に要した5日間が…。


 原因は他人のせいにします。Windowsが悪い。よりによって、加工の最中にシステムの更新作業をしてくれました。当然、加工はストップ。ソフトウエアを再度立ち上げて、加工機の原点を合わせます。この原点は、加工機を起動するたびにソフトウェア上で合わせる相対位置です。

 再度加工を始めるのですが、途中まで削ってあっても、加工プログラムは最初から動作します。つまり、加工機は新品のパネルのつもりで削ります。すでに削ったところは、なぞるだけ。エンドミルが溝の底に着くまでは、静かに進む、はずでした。

 ところが、いきなりギーンと切削音が響きます。角穴の右サイドで拡張工事が始まっていました。気づいたときには、すでに遅し。どうやら、システム更新以前の作業のときに、原点がずれていたようです。ズレたまま最後まで加工できれば、問題はなかったのですけど。


 10 mm 厚のアルミパネルは、廃材となってしまいました。高かったのに…。


 ところが、この廃棄パネルは、レタリングを入れるときに廃材箱から引っ張り出すことになります。


 さて、パネルの材料を再度購入しました。2回目ですから段取りはわかっています。加工を2日で終えました。つぎは、パネルのレタリングです。

 レタリングには、A-one転写シールを使っています。シール部分が薄くて透明なので、貼っても目立ちません。文字はインクジェットプリンタで簡単にプリントできますし、ロゴマークも入れられます。

 さあ、プリントです。


 ところが、なぜだかシートにプリントした文字がにじみます。乾燥が不十分だったかな、プリンタ設定が間違っていたかな、と考えて何度かやり直しましたが、やはりにじみます。シートが古くなったかな、と思って買い換えて試しても同じです。シートの表面でインクが散るような感じです。

 これは、「何か間違っている」としか思えません。そこで、製品の使い方を見てみると、赤字で何やら書いてあります。

※顔料インクには対応しておりません。


 恥ずかしながら、インクジェットプリンタのインクに顔料と染料があることを知りませんでした。引っ越しを機に買い換えたB社のプリンタを調べると、顔料。なんと…。


 ネットを探すと、顔料インク対応のシールもあります。商品名だけを記しますが、「水転写シート」「水転写シート透明」「インクジェットプリンタ専用水転写紙」「スプレー不要水転写シート」の4種類を買ってプリントしました。いずれも、顔料インクはきれいにプリントされます。しかし、何か違う。


 そこで、廃材箱からパネルを拾い上げて貼ってみました。

 結論から言えば、シート部分が厚くて盛り上がる、シートとパネルの間に入った裏紙を引っ張り抜くために細かな位置決めができない、裏紙を引き抜く手順のためにシートが曲がりやすい、との理由により、パネルには使えません。4種類とも却下です。


 さて、どうすべきか。

 3日間悩みました。

 染料インクのEPSONプリンタに買い換えました。

 想定外のところで、かなりの時間を要してしまいました。ふ~っ。


上:左右独立バッテリードライブEVR、下:バッテリードライブEVR
上:左右独立バッテリードライブEVR、下:バッテリードライブEVR

 前作(下)と本作(上)を重ねての記念撮影です。パネルの表面加工の状態が異なりますので、色が異なって見えています。

 前作はタカチ電機のHYケースです。こちらのパネルはヘアライン処理されていますので、白く見えます。そのため、シールを貼った部分は目立ちません。


 本作では、モノタロウで滑川軽銅社高精度アルミ合金ハイプレート切板を購入して加工しました。アルミ-マグネシウム系合金の高い平坦度のパネルです。アルミ板はスラブを一対の平行ロールで薄くして板にする平圧延で作られています。きれいな表面状態は、おそらく、仕上げ圧延時のロール表面状態が板に転写されたものと思われます。このため、やや暗く見えます。この表面に1000~2000 番のペーパーを用いてヘアラインを入れることは可能ですが、きれいなのでそのままレタリングを貼りました。

 写真では、かなりレタリングシートが浮かび上がっているように見えますが、実際にはそれほど目立ちません。暇ができたら、廃棄パネルでヘアライン加工を試してみようと思っています。


©2020-2024 by T.B.Sound

bottom of page